2010年9月12日日曜日

Eagle 3Dを用いた基板設計改善の効果(基板の完成予想図を使って失敗を最小限にする)

以前「How to use Eagle3D」で御紹介したEagleのボードデータから基板の完成予想図を出力するものですが、具体的にどういった効果があるのかを御紹介しましょう。

この事例で設計したのは、mbed用ベースボードであるStarBoard Orangeに対して、更にドッキングすることのできる拡張基板です。
こういった基板でよくあるのは「ドッキングしてみてわかったあんなこと、こんなこと。」ですよね?

例えば設計時の第1バージョンは以下のような感じでした。

第1バージョンの結果を基板の完成予想図として見ると、色々な事を感じます。
例えば、「ここにあの部品が載せられる。」とか「実際に使うんだったら、あれも欲しいよね。」といった具合です。また、第3者の方にレビューしてもらう時でも、こんな風に完成イメージも添付すれば電気図面上の意図も伝わりやすくなります。

第1バージョンの結果を元に、設計にフィードバックをかけた第2バージョンを以下に示します。
第2バージョンは、第1バージョンで空間をうまく活用できていなかった個所を改善してあります。
完成時の具体的なイメージを共有する場合、上記のように3Dイメージにちょっとしたコメントを加えるだけで表現力がアップします。画像を1枚見るだけでも、言葉で言うよりも説得力がアップします。

最終的に完成としたのが下記の第3バージョンです。
第2バージョンの完成予想図を元に、LEDの配置変更や回路機能の追加などを行っています。
完成予想図は一見すると「単なる自己満足」に過ぎませんが、完成を予想する(=起こりうる未来を予め見ておく)ことで、様々な活用が可能になるのです。
例えば、第1バージョンや第2バージョンのLED配置(水平照射するように実装)では基板外形から飛び出し過ぎてしまう問題がありました。

振り返って第1バージョンと第3バージョンを見比べてみて下さい。
明らかに完成度は第3バージョンの方が高いと思います。

見ているものは同じはずなのですがEagleのボード画面で見るのとだいぶ印象が異なります。
最近巷では3Dが流行っていますが、某社の開発者が「3次元になるだけで脳の補間能力が違うんですよ。」と話していました。こういった事とも関係があるのかもしれませんね。

基板が手元に届いた瞬間に「あぁ!こうすれば良かったのに!」と気付いてしまうような勿体無い失敗を解消する道具として効果のある選択肢です。

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