(2011/05/25追記)
この記事で取り上げられているh8write for KOZOSの対策は本質的な解決策を示していません。
後日取り上げる別の記事で「リベンジ解決編」をお届けする予定です。
暫くお待ち下さい。
(2011/05/26追記)
この投稿記事で取り上げられている内容は本質的な解決策を示しているとは言えませんでした。
そこでH8/3069F writer for KOZOS - kz_h8write 「h8writeリベンジ解決編」を公開しました。
h8write for KOZOSって何?
h8writeはMitsuiwa Yukioさんが実装したH8書き込み用ツールです。
(ウェブ:Open SH/H8 writer)
このh8write for KOZOSは三岩さんが実装したオリジナルのh8writeの実装修正バージョンです。
主にKOZOSをLinux上で体験したい方に向けて公開します。
KOZOSとは坂井弘亮さんがフルスクラッチで設計実装されたOSで「組み込みOS自作入門」という書籍の題材にもなっているOSです。
これがかなり面白い内容で、坂井さんのオリジナリティ溢れる視点で最後まで楽しく読む事ができます。ちなみにこんな勢いで読み進める事ができます。
KOZOSについては以下のページもご覧下さい。
http://kozos.jp/kozos/
さて、本題です。
この書籍ではプラットフォームに秋月電子通商のH8/3069Fネット対応マイコンLANボードが使われています。
実は、H8がプラットフォームとして選択されていたので、敬遠していたのですが、「これはやっぱり面白い」と書籍の内容を一目見て衝動買いしてしまいました。それも、随分と前・・・。
随分と前に購入しておきながら、なぜ触れなかったかと言うと、書き込みツールであるh8writeで書き込みができなかったからなのです。
私は個人的に開発環境にUbuntuを好きで利用しています。Windowsの端末環境では開発がスムーズに進まないからです。実際にh8writeをコンパイルして動作させてみると、稀に書き込みに成功するものの、殆ど失敗します。
私は「OSを作りたかった」わけなので、「h8writeのデバッグがしたかった」わけではありません。
プライオリティの関係から少しずつ放置状態になっていました。
(皆さんの中にもこういう方はきっといるはず。)
ふと思い立ちh8writeのソースコードを調べてみたところ、実装があまり美しいとは言えません。
シリアルポート周辺の実装を見るとなんだかごちゃごちゃしています。
そして、今回問題となっているのはシリアルポート周辺処理です。
問題を後々整理できるようにと、第1段階としてシリアルポート周辺処理を整理することにしました。
また、この過程で気になる実装を修正して完成したのがserial.cとserial.hです。
このserial.cとserial.hにシリアルポートの処理を任せた実装が私の改良実装版です。
そして、「ダメ元」で試してみたところ、かなりの確率で書き込みに成功することがわかりました。
そこで、この実装をh8write for KOZOSと名付け、早々に公開することにしました。
どうしてオリジナルではいけないの?
オリジナルではいけないということはありません。このh8write for KOZOSはオリジナルのh8writeで書き込みに失敗する方のためのツールです。
近年、レガシーポートがコンピュータから姿を消し、結果的に当該ボードにはUSB-シリアル変換ケーブルを使って書き込む事が多くなっているように思います。
KOZOSの書籍で扱っているH8は3069です。
実は、オリジナルのh8writeでは、USB-シリアル変換ケーブルを使うケースにおいて、一部の環境で書き込めない問題が発生しています。実際に調べてみるとH8/3069の書き込み時には、ボーレート9600でCPU情報を確認した後、COMポートを一度クローズし、ボーレート19200で再オープンして書き込みを行っている事がわかりました。
オリジナルのコードではこのボーレートを指定しながらのオープン・クローズ処理周辺の実装に問題があるように見えました。
と言っても、ツールの実装当時から見ると、カーネル側の処理も随分変わりましたし、USB-シリアル変換ケーブルに搭載されたデバイスのドライバの実装の甘さも関連があるかもしれません。
そこでシリアルポートの処理を中心に実装を試験的に見直し、書き込みに失敗する幾つかの環境で試行してみたところ、うまく書き込めることがわかりました。
ダウンロード
こちらからソースコードをダウンロードして下さい。簡単なMakefile付きです。
Ubuntu 10.10上でのみコンパイルと動作を確認しています。
その他の環境での動作確認等が出来ましたら、是非御報告頂ければ幸いです。
(2011/05/26追記)
この投稿記事で取り上げられている内容は本質的な解決策を示しているとは言えませんでした。
そこでH8/3069F writer for KOZOS - kz_h8write 「h8writeリベンジ解決編」を公開しました。
何が違うの?(実装面)
- シリアルポートの実装を分離しました。
- シリアルポートの実装を見直しました。
- 関数名を一部変更しました。
- Windowsに対する実装サポートはバッサリ削除してあります。
何が違うの?(実動作)
うまく動作することがわかったら、どんな風に実動作が異なるのか知りたくなります。オリジナルのh8writeを使って書き込みに失敗する環境を用意し、観察してみます。
確認したのは「最初にH8にデータを送信する箇所」です。
NG: オリジナルのh8write
OK: 改良実装版h8write
最初に送信するデータはボーレート9600で送信されます。
なんだか、最後の方が異なります。
もう一度書いておきますが、シリアル周辺の実装を修正しただけです。
続くパケットではプロセッサの種別を確認するのですが、オリジナルの実装ではこの時点で動作していないことがわかりました。
h8writeの実装には気になる点がいくつもあります。
今回は深追いをせずにシリアル周辺の実装のみを修正して効果を確かめました。
今のところノートパソコン、デスクトップに作った2つの環境で書き込みが出来ています。
実は、この2つの環境はオリジナルのh8writeでは書き込みに失敗します。
本来であれば、もう少し丁寧に追い込まなければならない点が残っています。
しかし、かなり多くの方が「書き込めない」で困っている様子(私自身がそう)でしたので、早めに公開することにしました。
皆さんのh8writeの問題が解決し、KOZOSを楽しんで頂ければ幸いです。
(検証に御協力頂ける方)Linuxディストリビューション名と使ったUSB-シリアル変換ケーブルなどもろもろの情報と共にhttp://groups.google.com/group/kozos_tomonokaiまで動作結果を御連絡下さい。
(2011/05/26追記)
この投稿記事で取り上げられている内容は本質的な解決策を示しているとは言えませんでした。
そこでH8/3069F writer for KOZOS - kz_h8write 「h8writeリベンジ解決編」を公開しました。
ライセンス等
- ライセンスはオリジナルに従います。
- 但し、serial.cとserial.hをh8write.cと切り離して用いる場合、MITライセンスを適用します。
- 使用した如何なる結果についても、当方は責任を持ちません。
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