2012年6月24日日曜日

茶室で楽しむKOZOS拡張基板 (田舎のゆったりした雰囲気とKOZOSのワクワクする世界を同時に楽しむ!)

先月から取り組んでいたKOZOSを32倍くらい楽しむための拡張基板を使った新しいお楽しみ企画を実現する方向で検討しています。


「茶室で楽しむKOZOS拡張基板」という一風変わった企画なのですが、いつもと違う環境でエンジニアリングに取り組んで頂ける上、ゆったりした雰囲気で心も体もリフレッシュという算段です。


詳細は決まるまでお話できないのですが、場所は神奈川県内です。


チラシ原稿を作ってみました。こちらをご覧ください。

2012年6月23日土曜日

BlueTank ACB-BF592の印象に残るロゴを考える

自分の設計した成果物が一体何であるのかを事前知識の無い人に伝えるのは結構大変です。
印象に残る物にするならなおさら。
名前は聞いた事があるけど何だっけ?みたいな物は数多くあります。

BlueTank ACB-BF592の場合、ACB-BF592UMB-SSM2603というモジュールを使ったオーディオプラットフォームなのですが、単にオーディオプラットフォームと言ってしまうと何だか印象に残りません。

そこで、今回は「リモコンで制御できるオーディオプラットフォーム」という事にしました。
今回はちょこっとロゴを作ってみました。


スケッチはこんな感じです。
できるだけダサい感じを醸し出す為に何回かスケッチしてからCADに移行しました。


設計当初、リモコンでしか制御できない「リモコンで制御するオーディオプラットフォーム」でした。




よくよく考えてみると、ボードを使いたいユーザが同じリモコンを使えるとは限りません。
本体だけで手軽にデバッグしたい事だってあります。


これをふまえてロータリーエンコーダーを付けた為、キャッチフレーズも少し変更。
「リモコンで制御できるオーディオプラットフォーム」になりました。

振り返ってみるとどっちでも(どうでも?)良い気もします。
いや、もしかしたら「リモコンで制御するオーディオプラットフォーム」の方がゴロが良かったかも。

2012年6月16日土曜日

外装から考えるDSPオーディオプラットフォーム - BlueTank ACB-BF592

先日の記事「ACB-BF592とUMB-SSM2603のベース基板を設計する」で基板設計者の視点でベース基板を仕立てたわけですが、「EAGLEの図面からアクリ屋ドットコムさんに頼むアクリル外装部品のサイズを簡単に得る方法」とか「KOZOS EXPBRDの最終組み立て (廣杉計器さんのスペーサが届いたので組み立てた)」の作業をするうちに、別の視点から検討してみたくなりました。

以前から株式会社タカチ電機工業さんのプラスチックケースに基板を収める事をやっているわけですが、気付いたら何年もやっていません。


今回のオーディオプラットフォームの基板設計は「お気楽ベース基板設計」なわけですが、単にお気楽ベース基板設計だけというのもなんだかなぁという感じです。

そこで、寝かせておいた成果物を少し変更してプラスチックケースに収める事を考えてみました。
先日設計したベース基板のサイズを基に、近いサイズのプラスチックケースを洗い出します。


どうもLCS135H-Nという新しいシリーズに含まれるモデルが良い具合に該当しそうです。
基板外形を変更し、LCS135H-Nにぴったり収まるようにしました。


ケースの穴加工ですが、以下の部品に対する加工が必要です。
  • LCD
  • ロータリーエンコーダー
  • 赤外線受光素子
  • USB
  • SDカード
加工穴数によって工賃が幾分変わるわけですが、今回の場合はどの程度になるでしょうか。
こればかりは頼んでみないとわかりません。
基板上がりと動作確認後までケースの発注は待ちなので、暫く保留です。

LCSシリーズにはシリコンラバーが付いてきます。
シリコンラバーに対する加工も場所によっては必要です。
ちなみにメーカのカタログには加工例として以下のような写真が掲載されていました。


ケースに合わせてシリコンラバー側も加工できると気持ちが良いですね。
これはなかなか良さそうです。

タカチ電機工業さんのホームページからは、DXFでケース外形をダウンロードする事ができます。
(自己解凍形式になっていて少し気持ち悪いのですが気にしません。)
EAGLEからDXFでエクスポートした後、RootPro CADを使ってメーカー提供のDXFと組み合わせ検証をする事もできますね。やってみましょう。

ダウンロードしたファイルをインポートすると以下のような感じの図面が得られます。


ズームアップしてみましょう。


検証で欲しい箇所をコピーして使用すれば良いですね。


こんな感じできっちり収まりそうな感じが確認できました。
最終的には現物で確かめるまで何が起こるかわからないという立場を取るのが良いわけですが、
少なくともCAD上で検証しておかないと狙って正しいのか偶然正しいのかわかりません。

今回の場合、現物で問題なければ狙って正しい結果を出したという事になります。
高さ方向の検証は少し考えている事があるので、これはまた別の機会に。

今回の基板をケースに収める時の事を妄想するために「Eagle3D + POV-Rayをもっと活用してリアルな完成イメージ図を得る」にならって動画にしてみました。


うーん。
基板だけ回転させてもわからないですね・・・。

2012年6月12日火曜日

KOZOS EXPBRDの最終組み立て (廣杉計器さんのスペーサが届いたので組み立てた)

先日のアクリル発注に引き続き、廣杉計器さんからスペーサを購入しました。
廣杉計器さんは、個人相手でも取引してくれる上、最小発注数は50からと敷居はとても低いです。
今回で言うと、豊富なスペーサの中から選んで発注できるのが嬉しいです。

水平方向の検討は先日の記事のとおりですが、今回は高さ方向です。
今回はひとまずノギスで測って実測ベースでスペーサを選定しました。


以下のように、どこに何が入るのかを整理します。
きちんと書いておかないと、発注漏れとか平気で起きてしまいます。



発注して翌営業日には届いていました。

最小発注数は50ですが、例えば4箇所止める設計で10台も作れば40個です。
個人でも使いきれる数量ですね。


KOZOS EXPBRD #00は、秋月電子通商のH8/3069Fネット対応マイコンLANボードを裏返して使う設計です。
土台が以下のような感じで完成します。


その上にKOZOS EXPBRD #00が載ります。


組み立て完成時の写真がこちら。


結構分厚いです。


基板設計だけならまだしも、外装を考え始めると色々と別の事も考えなくてはいけません。
電気と機械の関係を考える事で、今まで出来なかった新しい事も出来そうだなぁと考えています。

暫くは「外装を考える価値を見出せない基板設計はしない」というポリシーを持とうかと考えているところです。

2012年6月6日水曜日

SDカードからブートしたKOZOSを使ってニジマス君を動かす

KOZOS EXPBRD #00のハードウェアデバッグのためにジャンクコードを量産しましたが、
集大成として(←何の?)ニジマス君をロータリーエンコーダーを使って動かすテストをしました。

まぁ、テストというよりもネタです。
すみません。



SDカードからブートできるようになったので、パソコンいらずでKOZOSを起動させる事ができます。
テストプログラムでは、DRAMを使っていますので巨大なプログラムでも余裕でロード可能。

mp3デコーダチップを使ってスプラッシュサウンドを出力したり、赤外線リモコンを使えます。
ありきたりですがmp3プレイヤーとかを作ってみるのが楽しいかも。

デバッグ用の基板実装にスイッチサイエンスさんから入手したリフローグッズを使おうと思ったのですが、「部品実装のデバッグ」より「基板設計のデバッグ」を優先させたので、結局できませんでした。

何台か作る時には是非試したいなぁ。

2012年6月5日火曜日

EAGLEの図面からアクリ屋ドットコムさんに頼むアクリル外装部品のサイズを簡単に得る方法

この記事あの記事で外装に関する話題に触れたわけですが、基板との関係に触れていない事に気付いて簡単に紹介してみたくなりました。

EAGLE V6からは、新しく基板上のコンポーネントのサイズが計測できるようになりましたが、実際に試してみたところ、現状では実際の設計に役に立つ動作をしているように思えませんでした。
EAGLE内で完結して外装まで注文できる形になると良いのですが、あまりうまくいきません。

ここではEAGLEで基板設計した後で、アクリ屋ドットコムさんに頼むアクリル外装部品のサイズを簡単に得る方法を紹介する事にします。

まず初めに、EAGLE上でボードファイルを開き、dxf.ulpを実行します。


オプションダイアログが表示されます。
3つのチェックボックスの全てのチェックを外して下さい。
これは、後で用いるRootPro CAD Freeの動作と関連があります。


OKボタンを押したら書き出しが実行されます。
次に書き込んだファイルをRootPro CAD Freeで読み込みます。


オプション選択ダイアログが表示されますが、デフォルトのままで構いません。


読み込みが完了すると以下のようにEAGLEのボードファイルで見たような画面が表示されます。
これで下準備は完了です。


さて、アクリ屋さんですが、セミオーダー加工時に指定可能なサイズは0.5mm単位となっています。

基板設計時に明確に決めておかないとズルズルとインチ系のままになっている事が多いわけですが、今回の基板も例にもれずインチ系のグリッドに穴やら基板外形が乗っています。あらら。

この場合、完璧主義に陥ってインチ系でぴったり合うようにフルオーダーしても良いのですが、費用対効果がバランスしないでしょう。

今回の場合、基板設計時点でぼんやりと外装アクリル付けようかなぁと考えていました。
以下がその時のスケッチです。


スケッチと言うにはお粗末ですが、それでもスケッチはスケッチです。
このスケッチは「アクリ屋ドットコムさんのセミオーダー加工で対応可能な範囲だ。」という事を示唆しています。

さて、アクリルの穴位置と外形は、先に述べたように0.5mm単位での指定になっています。
先ほどインポートしたCADデータとスケッチを基にサイズを決めていきます。

図形メニューの寸法から長さ寸法を選択します。


インポートした図面の穴位置中央にカーソルを持っていくと、センターが取り出されます。
うーん、これは便利だ。

基板端からの計測ももちろん可能です。
もし、基板端が図形として期待通りに認識されなかった場合、EAGLEでの書き出し時にチェックボックスの選択を外したかどうかを確認して下さい。


ここからがポイントです。
セミオーダーフォームから色々試してみたところ、以下の事がわかりました。
アクリル板端からの話はどこにも書いていなかったような・・・。
  • アクリル板端から4mmの位置に対して、直径3.2mmの穴をあける事ができない。
  • アクリル外形や穴位置の指定は0.5mm単位である。
  • 穴系は0.1mm単位で幅広く選ぶ事ができる。
上記を踏まえて、以下のような基板に対してどうすべきか考えました。

  • 基板外形はいったん無視。穴位置の関係さえ守れば基板とアクリル板は結合可能である。
  • 0.5mmグリッドに乗らない穴は、近い位置に丸めてアクリル加工穴とする。
  • 近い位置に丸めた穴は、本来の位置とのズレを吸収する意味で穴径を大きくする。
以下が設計した内容です。

今回は基板の中心を原点と見做してアクリル外形サイズを少し大きめにとりました。
期待した穴位置には設計ルール上の制限で穴が開けられない事がわかったからです。

重要なのは、基板にあいている穴の相対位置の関係を維持する事ですね。
これさえ外さなければ、絶対に作ったアクリル板の穴位置とズレる事はありません。

最後にアクリ屋ドットコムさんのサイトで設計した後、出てきた図面を基に検証します。
いくら安いとはいえ、加工枚数が少なければ一枚1000円近くします。
一発で決めたいですよね?

試しに検証してみましょう。

例えば、水平方向を見ると基板側では96.52mmとなっています。
概ね96.5mmと見做す事ができるので、設計したアクリルの穴位置を計算して
110.5 - (7.0 * 2) = 96.5mmとなり、期待通りというわけです。


垂直方向を見ると、50.80mmなので、概ね51.0mmと見做します。
設計したアクリルの穴位置を見ると61.0 - (5.0 * 2) = 51.0mmとなります。
本来の穴位置に対しての誤差は51.00 - 50.80 = 0.2mmとなります。

中心位置が外側に0.1mmずつ広がっていると考え、穴径は基板側の3.2mmに対して
0.1mm拡げた3.3mmを直径とすれば、「まぁ入るでしょ」という計算です。

ロータリーエンコーダーの穴位置は、止め穴から内側へ5.08mmという基板設計側の情報を基に決めてあります。
これも双方の穴位置の関係が命なので、アクリル外形に惑わされないようにするのがポイント。

ずいぶんといい加減なもんですが、こんな感じで
  • EAGLEからRootPro CADにデータを渡して
  • RootPro CAD上で手軽にサイズ測定して
  • アクリ屋ドットコムさんに発注
という一連の流れが完成です。

切断端面の加工に細目仕上げを選択して5枚の製造を依頼しました。
お値段は以下のように一枚約800円です。


私は自宅に機械加工の道具を持ち合わせていません。
自分で苦労しながら穴をあけて残念な感じになる事を考えると安いものです。

2012年6月2日土曜日

KOZOS EXPBRD #00のハードウェア動作確認完了

今回はチマチマと部品を付けながら暢気にデバッグしたのですが、
最後まで残ったデバイスの動作確認を完了し、大きなバグもなく一安心となりました。


ハードウェアデバッグ用にジャンクコードを量産したので気持ちが悪くなっています。
ハードウェアは問題なさそうなので、今度はファームウェアの設計です。

今回のボードの主な搭載部品をもう一度挙げておきます。
  • 122x32ドットのモノクロ・グラフィック・ディスプレイ
  • マイクロSDカード・スロット
  • 2つのLED
  • 2つのスイッチ
  • ロータリー・エンコーダー(赤と緑のLEDを内蔵、プッシュスイッチ付き)
  • mp3エンコーダー・チップ
  • ステレオ・フォン・ジャック
  • 赤外線受光素子
結構盛りだくさんに色々出来ます。


合体させる側のボードにはLANも付いているので色んなアプリケーションが考えられます。
こうなると下回りをきちんと整備する事がポイントになってきますね。

「KOZOS EXPBRD #00でKOZOSをしゃぶりつくそう!」みたいな企画も考えています。
どこでどんな風にやろうかなぁ。

あと、どうでも良いのですが・・・。
今度からプロジェクト名に#記号は使わないでおこうと思います。
これは今回の反省点。

Twitterではハッシュタグとして間違えられるし、TracやRedmineではチケット番号として扱われてしまいます。
正しく名前を書こうとして意図していない結果を生むのも考えものです。