最近の設計業務では画面上で設計を入力して、そのまま出図というケースも珍しくありません。
が、実際に基板が上がってくると、「うわっ!何ここのパターン!」とか、「これじゃあダメだよね。」ということが珍しくありません。
How to use Eagle3DやEagle 3Dを用いた基板設計改善の効果(基板の完成予想図を使って失敗を最小限にする)ではEagle3Dを使った簡単な事前確認を取り上げましたが、今回は少し異なるアプローチを御紹介します。
使用するのはトレーシングペーパーとプリンターです。
私はKOKUYOのセ-T49Nを使用しています。
最近のプロセッサは高速に動作するようになってきていますので、「あー、このクロックラインはダメでしょ。」とか「ちょっと!グランドなんでそんなに細いの!」なんて事になると致命的です。
クロックがおかしければプロセッサはなんともなりませんし、電源が発振したら動くものも動きません。色んな部品がきちんと動作しない状態でデバッグしようものなら、一体何を見ているのかわからなくなってしまいます。
そこで登場するのがこれ。
非常に古典的な手法ですが、私はトレーシングペーパを使っています。
メリットはやはり実際に見て、感じて、書き込めるというところでしょうか。
画面上で確認した後で、実際にトレーシングペーパに印刷して重ねて見てみると意外なミスを発見したりすることがあります。特に層間の問題を発見するには都合が良いです。
「アナログのあの部分とデジタルのあの部分が近くないか?」とか、そういったケースです。
ちなみに、トレーシングペーパーに印刷する時には濃度設定を行ってから印刷して下さい。
最近のプリンタはインクをたっぷり使って綺麗に印刷するのですが、トレーシングペーパにはインクの量が多すぎます。
最近のプリンタはインクをたっぷり使って綺麗に印刷するのですが、トレーシングペーパにはインクの量が多すぎます。
濃度設定は最小濃度で丁度良いくらいです。
印刷して持ち歩けばカフェで息抜きがてらに赤入れをしたりできるので便利。
気分転換にもなります。
こういった事前検証は全網羅する為のものではなく、あくまで「よりよい結果を生むための取り組みの1つ」と捉えるのが良いと思います。
ネットに対する最小線幅の設定自体が間違っていたり、ネットに適切なアトリビュートが割り当てられていない事もあるでしょう。DRCで逃してしまうミスを最終的にキャッチする手段として有効です。
また、製造時に起きそうな無用な不具合を避ける事にも使用できます。
例えば、このパッドとビアをもう少し話すと良さそうだなぁとかそんな具合。
画面上の作業ではどうしても単調になりがちです。
上記のようなアプローチを設計フローに盛り込む事で、いつもと違った視点を持つ事ができるようになります。
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